今年で4回目となる音楽イベント『聖地巡礼!』。アニメ『けいおん!』に登場する学校のモデルといわれている滋賀県・旧豊郷小学校の講堂で繰り広げられるステージはさながら学園祭の気分も味わえるという内容だ。コスプレもOKというイベントだけに、今年もアニメにちなんだ服装や浴衣、着ぐるみなど思い思いの姿で集まる観客たちの姿が。さあ、いよいよ今年の授業『夏休み追込み編』が始まります───!
[HR] WOMCADOLE
HRに登場したのは、ロックバンドWOMCADOLE。ギターでチャイムの音を演出し、オーディエンスは一同起立!

1曲目の『夜明け前に』からなんとも賑やかなHRが開始だ。キャッチーなメロディ、轟音サウンドに樋口侑希(vo&g)の切実にメッセージを突き刺すような歌い方がなんとも印象的。「つい3週間前にタワレコで流通したようなバンドなんやけど」と本人たちが語ることからも、きっと初見だった方も多かったに違いない。にも関わらず、彼等が初っ端から全力で沸点越えのステージを披露したからか、オーディエンスは一人二人と徐々に前へと押し寄せ、拳をあげ盛り上がる。このレスポンスに応えるように、ラスト曲『綺麗な空はある日突然に』では樋口がステージをおり、観客の中へ! 渾身のパフォーマンスに大歓声が沸き起こった。

-Set List-
M1.夜明け前に
M2.ドア
M3.オレンジと君とサヨナラと
M4.綺麗な空はある日突然に
[1限] ウルトラタワー
いよいよ1限目。「滋賀県出身の滋賀県在中、滋賀県のスターになるべく活動しています!」と自己紹介した4ピースロックバンド・ウルトラタワーがステージへ。心に潤いと心地よさを届けてくれる大濱 健悟(vo&g)の独特の歌声を軸とし、まるで情景が映像として浮かんでくるような珠玉のミディアムナンバーを中心にライブが展開されてゆく。4曲目にはアニメ『食戟のソーマ』のOPテーマ曲『希望の唄』を披露。まっすぐでひた向きな感情が伝わってくるエバーグリーンなメロディ、疾走感のあるビートと耳なじみのよいエネルギッシュなサウンドがなんとも瑞々しく清清しい余韻をも残してくれたステージだった。

-Set List-
M1.Heyday
M2.yellowbaby
M3.燐
M4.希望の唄
[2限] Kidori Kidori
続く2限目に登場は、Kidori Kidori。エッジの効いたロックチューン『NUKE?』で授業がスタートだ。「なにげに滋賀の初ライブなんですけど」(マッシュ(vo&g))というのもなんのその、3ピースがゆえのシンプルかつダイナミックなバンドアンサンブルでオーディエンスを見事に煽り盛り上げてゆく。定番曲の『Watch Out!!!』が披露されるころにはノリノリのオーディエンスとのコール&レスポンスもバッチリだ。合間のMCでは、先ごろ正式加入したメンバー汐碇真也(b)が「澪ちゃんが好き」という『けいおん!』ファン発言も。玄人好みの音楽センスとポピュラリティを併せ持つ稀有な存在、まさに純粋に“カッコいい”バンドだと思える存在感を見せつけてくれた。

-Set List-
M1.NUKE?
M2.ホームパーティ
M3.Watch Out!!!
M4.なんだかもう
M5.テキーラと熱帯夜
M6.Come Together
[3限] アーバンギャルド
リハーサルにメンバーが登場するやいなや黄色い大歓声! 「○○○○はお好きですかー!」「大好きでーす!」のファンにはお馴染みのコール&レスポンスも(笑)。次なる3限目に登場は、同イベント2回目の出演となるアーバンギャルド。やはり1曲目の『ワンピース心中』から一挙手一投足に釘付けだ。浜崎容子(vo)の中毒性をはらむ徹底したアイドル性とハイトーンボイスには思わず感嘆の声をあげずにはいられない。前衛的なサウンドをポップに昇華する手腕にも驚かされるが、まさに”魅せる”という言葉が相応しい、エンタテインメント性溢れるステージには脱帽です。

-Set List-
M1.ワンピース心中
M2.病めるアイドル
M3.自撮入門
M4.コインロッカーベイビーズ
M5.いちご売れ
M6.都会のアリス
[4限] ザ・チャレンジ
高らかなファンファーレが鳴り、学ラン風の衣装を身にまとったザ・チャレンジが4限目に。1曲目の『キラキラ』から、ポップかつキャッチーなサウンド、初見でも不器用な方でもきっと真似できるだろう振り付けの連続で会場は笑顔一色に! 徐々に惹きこまれ踊るオーディエンスたちの楽しそうなこと♪ 4曲目の『サマーライダー』では沢田チャレンジ(vo)がステージをおりて後列のオーディエンス近くまで行き、タオルを回して煽る煽る! 「学園祭みたいなステージに立てて嬉しいです」(沢田)の言葉通り、とにかく皆を楽しませようと動き回り盛り上げる彼等のライブ、一見すればトリコになる可能性高し!

-Set List-
M1.キラキラ
M2.マイガール
M3.すっぽんぽん
M4.サマーライダー
M5.お願いミュージック
M6.恋をしようよ
[5限] ねごと
いよいよライブも後半戦へ。「今日(女性4人組ということもあり)『けいおん!』みたいですね、って言われたりしました。ねごとは初・滋賀県です。来れてすごく嬉しいです」(蒼山幸子(vo&key))と大拍手で迎えられたねごとが5限目に。フワフワとした雰囲気をまとったキュートな佇まいとは裏腹の、軸のしっかりとした強靭なバンドサウンド、アグレッシブなステージングはまさに骨太ロックバンド! 『DESTINY』や『シンクロマニカ』、『カロン』など多くの人が一度は耳にしたこともあるだろうタイアップ曲満載のポップなのにロック、ある種の衝撃を受けるほど確かなバンドの底力を披露したライブにオーディエンスは歌いっぱなし、盛り上がりぱなしだった。

-Set List-
M1.DESTINY
M2.ループ
M3.GREAT CITY KIDS
M4.シンクロマニカ
M5.カロン
M6.nameless
M7.憧憬
[6限] Czecho No Republic
講堂の窓を夕日が染め出した6限目にはCzecho No republicが真っ白の衣装でステージへ! たっぷりの開放感、ほどよいヌケ感とタカハシマイ(cho&syn&per)や八木類(g&cho&syn)のコーラスも気持ち良いアップテンポのロックチューン『Amazing Parade』、カラフルで遊び心たっぷりなサウンドが楽しいポップナンバー『Festival』など初っ端からオーディエンスを盛り上げに盛り上げていく! 「初めて来たんですけど、趣がいいですね」(武井優心(vo&b))とこの日の会場の雰囲気を楽しんでいつつも、なぜだかノーパン話も飛び出した(笑)軽妙なMCに思わず顔がほころぶ瞬間も。後半には、武井のどこか儚げなボーカルと神秘的なサウンドが印象的な新曲『Firework』の披露も。ブラッシュアップされたバンドサウンドに、あらためてロックバンドとしてのポテンシャルの高さを実感させられるライブだった。

-Set List-
M1.Amazing Parade
M2.Festival
M3.For You
M4.MUSIC
M5.No Way
M6.Firework
M7.Oh Yeah!!!!!!!
[7限] the band apart
そしていよいよ大トリ、7限目のステージにこのイベントの仕掛け屋、the band aprtの姿が! 若干スタート時間がおしたこともありすでに薄暗い会場に照明がつくやいなや演奏がスタート!! 『coral reef』『higher』『free fall』…一筋縄ではいかない複雑な曲展開をさらりと演奏する圧倒的なテクニック、バンドのグルーヴ感と緩急の効いたステージングは必ずといっていいほど心地よさと音楽の素晴らしさを与えてくれる。このイベント恒例でもある原 昌和(b&cho)のMCでは「“放課後ティータイム“(『けいおん!』のバンドユニット名)ありきで、初めて観光でこの場所に来て。バンドの世界って不健全なやつらも多いのに、『けいおん!』に出会って、何て健全なんだろうと。もしかしてここのステージでライブしてたかもって考えたら、彼女たちに恥をかかせちゃいかんと(笑)。新歓ライブ(『けいおん!』の一場面)の時のような気持ちでやります!」と、やはりこのイベント、そして『けいおん!』に対するキュートな一面と熱い想いも聞けた。

アンコールの『Eric.W』では、5限目のねごとのステージを見て触発された原が「俺たちあんなことやったことないよね!」と提案し実現した、メンバー同士が演奏しながら中央に歩み寄り離れていくロックバンド然としたパフォーマンスも披露! 終演時間は予定をオーバーしたが、ここでしか見られないパフォーマンス、そして聞けないMCが今年も満載の充実したイベントだった。

-Set List-
M1.coral reef
M2.higher
M3.禁断の宮殿
M4.Falling
M5.free fall
M6.ピルグラム
M7.夜の向こうへ
Enc1.Eric.W